この家で過ごす最後の夜に書いておくこと
彼女と同じ家で暮らす、最後の夜。
子供と同じ家で暮らす、最後の夜。
今まで書けなかった私の状況を書いておく。
自分がこの家で過ごす最後の夜だけど、子供にはそのことは言っていない。
いい年した大人が、自分勝手に遊んで、不倫して、一緒に暮らし始めて。
彼女が妊娠して、堕ろして、徐々に関係が冷えていって。
転職して、失敗して、クビになって。
彼女の浮気を疑って。
要するにこういう事情を抱えていたのだけれど、本当に自分ってクズだな。
子供には本当に、申し訳ない。自分勝手な大人の自分勝手な行動に巻き込んでしまった。
ちゃんと父親になることはできなかったけど、でも、大好きだった。愛していた。
しんどい時、どれだけ彼の元気さや無邪気さ、笑顔に救われたかわからない。ワガママにイライラすることもあったけど、素直で優しい、他人を思いやることのできる子だ。
何も言わずに去るのは苦しい。苦しいけど、受け止めなければならない。
そして、名前をつけてあげることもできなかった、堕ろしてしまった子にも本当に申し訳ない。自分勝手な大人が自分の身かわいさに、光を見せてあげることもなく殺してしまったんだ。
だから、自分がこうなったのは因果応報なんだ。
まだまだこんなもんじゃないのかもしれない。これから先、まだ報いを受けてゆくのかもしれない。
正直、今は人を恨んだり、怒りの感情に飲み込まれたりもする。
でもそれを受けきらなければ、それに耐えきらなければ、自分が存在する価値はなくなる気がする。
自分勝手に、無責任な行動をして、失敗して、嘆いて。なんて甘いんだろう。
この世に出してあげられなかった子供がいたことを、忘れてはいけない。何も言わずに去ってしまう罪を忘れてはいけない。
忘れずに、生きていかなければならない。